文化系は就職に不利なのか?~体育会系の思わぬ弱点~

文系大学生



なぜ、体育会系は就職に有利と言われるのか

よく就活では、「体育会系は就職に有利」という話を聞きます。確かに体育会系を好んで採用する会社や、社風に合う会社もあります。その理由はなぜでしょうか。

体育会系学生の特徴

体育会系学生の特徴は、まず礼儀正しいことが挙げられます。先輩・後輩の上下関係を重視するところがあります。また、目標に向かってひたむきになれる、強い精神力もあげられるでしょう。これらは、日頃の練習によって培われるものです。

チームでの競技を経験する学生は集団行動、つまり「フォア・ザ・チーム」を意識するところもあります。

就職に有利と言われる理由

企業などの組織は、上司と部下という上下関係があります。各々の社員は組織の目標に従い行動することが求められます。個々の都合で勝手に動いてしまっては組織が成り立ちませんので、この点で上下関係や集団行動を重視する体育会系学生は好まれます。

また、特に営業職では数値目標が示されます。達成困難なことも多いですが、ここは学生時代から困難を克服した体育会の経験が役立つところでしょう。

いまどきの企業が求める資質は?

先ほどの章では、体育会系学生は就職に有利ということを解説しました。しかし、企業や団体の求めるものは、少しずつ変わってきています。

「上司の指示通りに動けば良い」時代ではない

平成に入ってからは、単に上司の指示通りに動くことが必ずしも成功を意味しない時代となりました。変化の激しい時代となりましたので、上司もすべての状況に対して答えを持っている訳ではありません。そのため、前例や伝統にとらわれず、「組織の目的を達成するためにはどうすれば良いか」を自ら考え、積極的に行動する能力が求められています。

知恵を使った仕事の進め方が求められている

努力、根性、忍耐。いずれも体育会系の学生が備える特徴です。日本人の美徳ともいえますが、仕事での評価ポイントは異なります。

ビジネスの現場では、最小のコストで最大の利益を上げることが理想とされています。そのためには、やみくもに努力を続けるのではなく、効率的に仕事をするためにはどうしたら良いか?を自ら考え、実行する必要があります。

フラットな組織や残業を減らす取り組みは、その一例といえるでしょう。

文化系は就職に不利なのか?

体育会系は就職に有利なのは確かですが、それでは文化系は就職に不利なのでしょうか。この点について考えてみましょう。

文化系学生の特徴

吹奏楽団など集団行動を求めるところは別ですが、一般的に文化系は上下関係が緩いと言われています。但し、これは礼儀が無いわけではなく、必要な礼儀は文化系の学生であっても身につけることができます。

文化系学生の特徴の一つは、年長者を過剰に意識しないところにあります。学生時代から企業と協業した経験を持つ方もいるでしょう。また福祉系の団体であれば、老人と話をする機会もあると思います。その点で、年長者と話すことに慣れている人もいるでしょう。

もう一つは、前例や伝統にとらわれないということです。理系の団体であれば、活動は新しい発見の連続、ということもあるでしょう。前例にこだわっていては活動が進みません。

体育会系学生の弱点とは?

体育会系学生にも弱点があります。

一つは、上司の指示は絶対と思いがちなところです。もちろん上司の指示に従うことは組織としての基本ですが、だからといって組織運営に必要な情報を上司がすべて持っているとは限りません。明らかに目標に反する指示であれば、修正を求める必要があります。またコンプライアンスに反する指示には従ってはなりません。

もう一つは、努力や根性で何とかなると思いがちなところです。トレーニングと違って、ビジネスの現場の多くは相手のあることです。いくら本人がひたむきに努力しても、相手に受け入れられなければ意味がありません。

また、費用対効果も考えなければなりません。努力したけれど赤字になっては意味がありません。

文化系学生が就職活動に勝つためには?

以上の通り、文化系学生が就職活動に勝つことは可能と考えられます。そのためには、以下のポイントを押さえて活動すると良いでしょう。

「巧く経営する組織」は文化系学生を求めている

企業や団体には、いろいろなタイプがあります。「とにかく売上!増益!ノルマ達成!」というように、努力や根性を求める組織もあるでしょう。また、どれだけ会社に自らの人生を捧げられるか?という点を求める組織もあります。このような組織は、体育会系学生を好むといえるでしょう。

その反対に、常に変化を求め、フラットな組織で社員自らが主体的に行動する。このような組織ならば文化系学生が活躍可能といえるでしょう。また費用対効果を重視する組織であれば、無駄な費用をかけない=無駄な残業をさせないことにつながりますので、こちらも文化系学生に向いているといえます。

但し、「残業代は出さない」会社はブラック企業ですので注意が必要です。

自分の特徴を生かせる企業選びをしましょう

すべての企業や団体に合格する人はいません。文化系学生もその例にもれず、相性の合う企業と合わない企業があります。

大切なことは、なるべく相性の合う企業に入り、あなたの実力を存分に発揮することです。そのためにも、できるだけ企業情報を十分に収集し、相性が合わなさそうな企業をふるいにかけることが必要です。

有意義な社会人生活の第一歩を踏み出すためにも、自分の特徴を生かせる企業選びをして頂きたいと思います。

参考URL

マイナビ2018「体育会系学生のための就活の進め方」:
https://job.mynavi.jp/conts/2018/tok/taiikukai/

デイリー新潮「体育会系学生は意外と使えない? 就活生が知っておくべき「キレイゴトぬきの就活論」(3)」:
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/01251130/?all=1

HUFFPOST「就職で「体育会系」を売りにするのはやめた方がいい」:
http://www.huffingtonpost.jp/hikaru-adachi/sports-minded_b_6732990.html

ITmedia「堀江貴文に聞く【社内人脈編】:友人と会社をつくるのは止めた方がいい」:
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/1005/18/news061.html

ダイヤモンド・オンライン「体育会学生が就活に強い4つの理由」:
http://diamond.jp/articles/-/67214?page=2

就活ノート「体育会系が多い企業ランキング」:

【テレビ業界を押さえて1位は・・!?】体育会系が多い企業ランキング!